摂食嚥下チームとは、医師・看護師・管理栄養士・言語理聴覚士・理学療法士等の多職種がチームとなり、各々の専門性を生かし、栄養状態、食事の状態、口の中の衛生状態をチェック・評価し、多職種の連携により治療や訓練をすることで、食べる機能の回復や肺炎を防止し、日常生活における活動性の向上を支援する医療チームです。
摂食嚥下障害とは、脳血管疾患や加齢、骨折や肺炎等の疾患のため長期の安静により身体全体の筋力が低下したり、耳鼻咽喉科領域の疾患などが原因となり徐々に飲み込む力が低下することをいいます。食事中や食後に咳やくしゃみ、声が枯れるなどの症状が出現することがあります。進行すれば誤嚥性肺炎を繰り返したり、栄養状態が悪化し様々な疾患を引き起こすことがあります。
当院では、摂食嚥下障害の有無を早期発見する為、入院時に全ての患者さんに問診や水飲みテストをおこなっています。また、摂食嚥下障害の可能性がある患者さんには言語聴覚士や摂食嚥下認定看護師による専門的な嚥下機能評価や、医師と相談し嚥下造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)などもおこなっています。
毎週月曜日、昼食時に患者さんの食事場面の観察をさせていただき、お一人お一人に合った食事形態や食事姿勢であるかを評価し、安全に食事を食べていただけるようカンファレンスで検討し、主治医、病棟スタッフと共有しています。共有された評価は言語聴覚士による専門的な嚥下に対するリハビリや看護師による食事介助、摂食機能療法、口腔内を正常に保つための口腔ケアに活かされています。
全ての患者さんが改善するわけではありませんが、NSTなどの医療チームとの連携も積極的におこない、誤嚥性肺炎の予防に加え、患者さんが少しでも食べる楽しみを感じ、口から食べ続けられるよう取り組んでいます。