1.泌尿器腫瘍
膀胱腫瘍(がん):血尿(肉眼的または顕微鏡的)が発見の動機になることが多く、診断は膀胱ファイバースコープ(軟性鏡)でおこないますので、ほとんど痛みがありません。主たる治療は経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)で、術後に再発予防のためBCGなどの膀胱内注入療法をおこなうことがあります。
前立腺がん:PSA検診で4.0ng/ml以上で発見されることが多く、外来で前立腺生検をおこない確定診断されます。治療は手術(前立腺全摘除術)・放射線・内分泌治療をおこないますが、放射線治療は和歌山県立医科大学附属病院にお願いしています。
腎がん:エコー(超音波検査)やCT検査で発見されることが多く、腹腔鏡による腎摘除術をおこなう準備中です。インターフェロンや分子標的薬による治療もおこなっています。
2.排尿障害
尿が近い(頻尿)、尿がもれる(尿失禁)、尿がでにくい(尿失禁)などの症状に対する診療をおこなっています。
前立腺肥大症:薬物治療が主体となりますが、最近、前立腺を小さくする薬が発売され、効果をあげています。薬物治療で症状の改善がみられない場合は、ホルミウムレーザー前立腺核出(HoLEP)をおこないます。
神経因性膀胱:神経の病気(脊髄損傷、二分脊椎、脳卒中、パーキンソン病など)による排尿障害では、膀胱内圧測定や膀胱造影で排尿障害の原因を調べて、必要に応じて薬物療法や間欠導尿(自己導尿)の指導をおこなっています。とくに脊髄損傷の尿路管理のために全国各地から患者さまがこられています。
過活動膀胱:尿意切迫感(急に尿がしたくなり、トイレまでがまんできない)を主症状とする疾患で、薬物治療だけでなく、干渉低周波(ウロマスター)による治療もおこなっています。
3.女性泌尿器科
女性特有の泌尿器科疾患の診療をしています。
腹圧性尿失禁:咳やくしゃみ、重いものを持ったときなどにおこる尿失禁です。骨盤底筋体操の指導やTVT手術(テープを用いた失禁防止手術)を一泊二日の入院でおこなっています。
膀胱瘤:膀胱が膣口からでてきて、異物感や排尿障害をきたす疾患で、当科では、TVM手術(メッシュを用いた修復術)をおこなっています。この手術は和歌山県では、橋本市民病院と当科だけがおこなっています(平成25年2月現在)。
間質性膀胱炎:頻尿や膀胱痛を主症状とする特殊な膀胱炎で、診断と治療は膀胱水圧拡張術によってなされます。
4.尿路結石
突然おこる側腹部痛の原因が尿管結石であることが多く、自然排石を期待して、薬物治療をおこないますが、排石困難例には、ESWL(当科に設備がないので他施設を紹介)やレーザー砕石術をおこなっています。
5.感染症
膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎といった感染症の診療もおこなっています。
6.男性性機能低下
薬物療法を中心におこなっています。お悩みの方は気軽にご相談ください。
なお健康保険は使用できませんので、自費診療となります。