認知症ケアチームとは、認知症ケアの質の向上を図り、認知症をもつ患者さんが入院による環境変化に混乱することなく平穏な療養生活を送ることができるよう支援することを目的に多職種で構成された医療チームです。
近年、少子高齢化により全国で認知症をもちながら生活する方が増加しており、団塊世代が後期高齢者となる2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。当院においても、高齢の患者さんや認知症をもつ患者さんが増加しており、入院による環境の変化に適応できず、せん妄(興奮したり、点滴を抜いたりする行動)や認知機能の低下(物忘れや意欲の低下)が出現したり、認知症が悪化する場合があります。
認知症ケア委員会では、週1回の認知症カンファレンスをおこなっています。認知症をもつ患者さん一人ひとりの対応を検討し、最善の治療を受けることができるよう支援を行っています。
今、患者さんの環境にどの様な変化が起こり、何故問題行動がおきているのか、身体、心理、環境面の多方面から要因を探り、行動の理由を考え、スタッフの関わり方を検討します。現実の自覚を促すため、カレンダーや時計、家族の写真を置くなど、安心できる環境づくりをおこなっています。また、服用している薬によっては、薬品名や投与量、睡眠状況を把握し、服用時間などを主治医や薬剤師とともに検討することで、患者さんが日常の生活リズムを取り戻せるよう支援しています。
今後も多職種が連携し、認知症をもつ患者さんに関わる全ての職種が情報を共有することで、安心して入院生活を過ごすことができ、医療や看護が受けられるようになればと考えています。病院職員に対しても認知症やせん妄の勉強会を実施し、知識の向上を目指しています。
慣れない入院生活で何かお困りの事や不安な事がありましたら、患者さん本人だけでなく家族の方もお気軽にスタッフまでお声かけください。